いらっしゃいませ、家電の虎です。
ニトリ、すごいですね。家具を売っているメーカーなのに大手メーカー顔負けのドラム式洗濯機が登場しました。
ヒートポンプ式ということがポイントなんですが価格も半端なかったです。
国内メーカーがとんでもなく高く感じる時代が来ていますね。さらにハイセンスやヤマダでも低価格で購入ができるモデルが登場しているので今後の動向が楽しみです。
昨年2024年に10万円を切る価格で販売したニトリが、新型のドラム式洗濯機を発売しました。

2025年10月上旬に、ハイセンスが168,000円でヒートポンプ式のドラム式洗濯機を販売したときも驚きましたが、ニトリはなんと144,900円。
15万円を切る価格で販売しました。
ハイセンスのドラム式洗濯機の情報を聞いたとき、
「どこかのプライベートブランドから15万円切る値段でヒートポンプのドラム出たら面白いことになるな〜」って考えてたんですが、本当に出たのでちょっと笑ってしまいました。
しかも昨年家電業界に衝撃を与えたばかりのニトリ。
この価格と機能を見て、「攻めてるな〜」って思いました。
今回の動画では
1:本体スペックの解説と外観
2:注目の5つの新機能
3:前モデル「ND100KL」との変更点
4:大手7メーカーとの比較
この順番で解説していきます。
本体スペックの解説と外観
まず初めに「攻めてる」本体のスペックを見ていきましょう。
ニトリのHPにはスペックの一覧表がなかったので表にしてみました。
| 本体型番 | ND100HL |
| 価格 | 税込149,900円 |
| 洗濯/乾燥容量 | 12キロ洗濯/7キロ乾燥 |
| 乾燥方式 | ハイブリット式 (ヒートポンプ+サポートヒーター) |
| 運転音 | 洗濯時:34dB 脱水時:44dB 乾燥時:43db |
| 洗濯〜乾燥運転時間 | 110分 |
| 本体寸法 | 幅:61.3mm 奥行き:67.7mm 高さ:98.5mm |
| 消費電力量 | 900W |
| 1回あたりの洗濯コスト | 約27.9円 |

このように目立つように店内に展示されていました。
本体のスペックは12キロ洗濯7キロ乾燥と大容量で、一般的な4人家族の1日の洗濯物を一度に洗濯することができます。
運転音は洗濯時:34dB、脱水時:44dB、乾燥時:43dBとなっていて、平均的な印象です。
本体寸法は12キロのドラム式洗濯機の中で最小クラスである、アクアのAQW-DX12Rと比較しても、ほぼ同等の大きさです。
本体背面からドアを開けたときの寸法が1063mmと、AQW-DX12Rよりも10cm程度小さくなっています。
ドラムの形状は前回モデルと同様の水平ドラムとなっていて、衣類投入口がちょっと低い位置にあるかな?というのが個人的な感想です。

こちらは操作パネルです。

ボタンが多めですが、フラットで見やすいようになっています。
洗濯槽を見ると、前モデルとよく似ています。
前モデルに引き続き、洗濯槽内に無数の突起がある形状をしています。

以前の動画でもお伝えしましたが、今回のドラムも恐らくアクアのOEMではないかと思われます。
排水ホースは左右どちらからも出せるように設計されています。

扉の開く向きは前モデルと同様、左開きのみの展開になっているようです。
ここはちょっと残念なポイントですね。
注目の5つの新機能
それでは次に、新しくなった機能面を見ていきましょう。
今回のND100HLには注目の機能が5つ追加されました。
1つ目、空間除湿機能
2つ目、OxyWave機能
3つ目、高浸透泡シャワー機能
4つ目、ヒートポンプ搭載
5つ目、洗剤・柔軟剤自動投入機能
この5つが新搭載機能となりました。
一つずつ解説していきます。
1つ目の「空間除湿機能」について解説します。
本体に「吸気口」があります。

「何を吸気するの?」と思って調べた所、どうやら除湿機の役割も果たすそうです。
乾燥機能を搭載している洗濯機で、「乾燥機能を使うと、洗面所が暑くなる」と言った声をよく聞きますが、これを逆手に取ったのでしょう。
この吸気口から洗面所の空気を取り込んで、本体の熱交換器で空気を除湿、発生した水は排水口へ逃がすという発想。
効果は25分の除湿で湿度99%が60%になり、かかる電気代はおよそ11円。
これ、良い機能だなって思います。
2つ目の注目機能として、「OxyWave機能」を搭載しました。
すすぎ運転時に「OHラジカル」という成分を含む気体を注入し、除菌水を生成。
その水で衣類や洗濯槽をすすぐことで衣類や洗濯槽に発生する嫌なニオイを抑えます。
ニトリが行った試験では、OxyWave機能を使用した生成水では、「水中に含まれている菌が99%減少した」という試験結果があるようです。
似たような機能に東芝の洗濯機に搭載されている「Ag+抗菌水」があります。
こちらは水道水が抗菌水ユニットを通過することで銀イオンを含む水になり、その水で洗濯、すすぎを行うというものです。
OxyWave機能と同様に衣類や洗濯槽に抗菌効果があるとされていて、部屋干し臭を抑えるものです。
東芝の洗濯機はウルトラファインバブルという独自機能を採用していて、洗濯、すすぎ運転時に繊維の奥まで抗菌水が浸透する様になっています。
ニトリのドラムにはウルトラファインバブル機能のようなものはなく、すすぎ時にのみOHラジカルが発生するというものです。
こういった違いがありますが、効果にどれくらい差が出るんでしょう?
ここは気になるところですね。
この除湿機能と、OHラジカルの機能は特許出願している機能で、以前販売していたND100KLにはなかった新しい機能です。
3つ目の注目機能として「高浸透泡シャワー機能」を搭載しました。
洗剤液を洗濯槽上部からシャワーのように振りかけることで、洗剤液を繊維の奥まで浸透させます。
前モデルでは洗剤の投入方法について特に触れられていなかったので、おそらく洗剤と水は別々に投入されていたのだと思われます。
今回からは洗剤と水をあらかじめ混ぜ、その後に注水される様になったので、早い段階で洗剤液が汚れに浸透。
この効果によって高い汚れ落ち効果の期待ができます。
ドラム式洗濯機は縦型洗濯機と違って摩擦の力を使って汚れ落としをしないので、洗剤をいかに衣類に浸透させるのかって重要なポイントなんです。
続いて4つ目、「ヒートポンプ搭載」です。
乾燥機能は「ヒートポンプドラム誕生」と大きく表示されていますが、実際はヒートポンプ乾燥にサポートヒーターを加えたハイブリット乾燥方式です。
この乾燥方式はシャープのドラム式洗濯機の一部機種でも採用されている乾燥方式ですね。
乾燥運転の前にヒーターを使ってドラム内の温度を上げて、ヒートポンプで除湿しながら乾燥させるというものです。
運転時間は洗濯から乾燥までで110分と、こちらも平均的な性能で、1回あたりの洗濯コストは27.9円と、東芝や日立と比較しても比較的安くなっています。
最後5つ目、「洗剤・柔軟剤自動投入機能」

最近のドラム式洗濯機のトレンドの機能である洗剤・柔軟剤自動投入機能もしっかりと搭載しています。
自動投入、手動投入どちらにも対応した洗剤タンクがあります。
最近のドラム式洗濯機にはなくてはならない機能になってますが、ニトリの新型にも搭載させてきました。
前回のニトリのドラム式の動画でも「この機能がないのはちょっと残念だな」と触れたのですが、今回から搭載してきましたね。
正直、この価格で洗剤自動投入機能もついているのはすごいですね。
ND100HLの新機能5つを紹介しました。
この価格でこの機能ってすごいなって思う機能が多く搭載されています。
それでは次に、前回モデルと変更になった点を解説します。
前モデル「ND100KL」との変更点
変更になった点は
1:排水フィルターの形状
2:乾燥補助フィルターの追加
この2点です。
こちらも解説していきます。
前モデルのND100KLには「排水フィルター」の造りが今ひとつと以前の動画でも紹介しました。

(画像はニトリHPより引用)
このようなフィルターで、髪の毛や糸くずなどのゴミが排水口にどんどん流れてしまい、排水口のつまりを心配する声が多く挙がっていました。
今回のND100HLのフィルターはどうなんだ?と思っていたので、確認したところ、

今回のフィルターはこのような形状になっていて、「おっ、今回のは大丈夫そうだ」と思いました。

白い樹脂の部分の肉厚が少し薄く感じたので、長期で使用したときの耐久性はどうなんだろう?という疑問が残りました。
加えて、抗菌加工などは加えられていないようなので、衛生面も少し気になりますね。
変更点2つ目として、「乾燥補助フィルター」が新しく追加されました。

ND100KLにも搭載されていていた乾燥フィルター自動お手入れ機能やドアパッキン自動洗浄機能は今回も搭載されています。
今回のモデルもメインの乾燥フィルターは本体に内蔵されていて、取り出しはできないようになっていて、お手入れは日立のドラム式洗濯機のように自動で行われます。
乾燥フィルターで取り切れなかった細かい糸くずなどをこの乾燥補助フィルターで取るようです。

(画像はニトリHPから引用)
日立のドラム式は自動お手入れのみですが、ニトリは乾燥フィルターを2つに変更してきました。
この変更もどういった効果があるのか気になるところですね。
また、前回モデルのND100KLと比較すると、本体の寸法が大きくなっています。
ND100KLは幅600mm、奥行き595mm、高さ857mmで、特に奥行きと高さが大きくなっています。
この点はヒートポンプや洗剤自動投入機能を搭載した事によるものなので、仕方ない部分もありますね。
ここまでニトリの新しいドラム式洗濯機「ND100HL」の変更点について解説しました。
スペックを見ると、東芝や日立、パナソニックといった大手メーカーと比較するとどうなのか?
気になる方も多いのではないでしょうか?
次に各機能を横並びにして見ていきましょう。
大手7メーカーとの比較
「価格が安くて、独自の機能も追加されたのはわかったよ。大手メーカーと比較したらどうなの?」となりますよね。
大手メーカーのドラム式と比較しても価格は安めですが、それでも15万円近くする家電です。
使う方のライフスタイルに合わなければ時短家電と言われてるドラム式洗濯機もなんの意味もないですからね。
各メーカーの主力商品と比較してみましょう。
ニトリ:ND100HL
パナソニック:NA-LX129E
日立:BD-STX130M
東芝:TW127XP5
シャープ:ES-12X1
アクア:AQW-DX12R
ハイセンス:HWF-D120X
この7機種を比較します。
なお、「本体価格」はメーカー指定売価、動画作成時点の価格コムの値段を参考にしています。
| ニトリ | パナ | 日立 | 東芝 | シャープ | アクア | ハイセンス | |
| 本体価格 | 149,900 | 348,840 | 346,380 | 275,000 | 249,800 | 150,000 | 168,000 |
| 洗濯・ 乾燥容量 | 12kg/7kg | 12kg/6kg | 13kg/7kg | 12kg/7kg | 12kg/6kg | 12kg/6kg | 12kg/6kg |
| 乾燥方式 | ハイブリット | ヒート ポンプ | ヒート ポンプ | ヒート ポンプ | ハイブリット | ヒート ポンプ | ヒート ポンプ |
| 運転音 (洗濯/脱水/乾燥) | 34dB 44dB 43dB | 32dB 41dB 46dB | 34db 37db 49db | 32dB 37dB 48dB | 32dB 39dB 42dB | 34dB 45dB 45dB | 37dB 46dB 43dB |
| 運転時間 | 110分 | 98分 | 93分 | 87分 | 150分 | 139分 | 124分 |
| 本体寸法 (幅/奥/高) | 613mm 677mm 985mm | 604mm 722mm 1011mm | 630mm 720mm 1055mm | 645mm 720mm 1060mm | 596mm 719mm 1075mm | 595mm 685mm 943mm | 598mm 630mm 1007mm |
| 消費電力量 | 900wh | 800wh | 1,150wh | 1,190wh | 590wh | 1,130wh | 1,085wh |
| 洗濯コスト | 約27.9円 | 約24.8円 | 約35.6円 | 約36.8円 | 約18.3円 | 約35円 | 約33.6円 |
主に比較される部分を一覧表にしました。
まとめ
皆さんはどう感じましたか?
この表を見ると、本体サイズにバラつきはありますが、運転時間や洗濯のコストといった基本的なスペックはしっかりと揃っています。
ここまで見ると、ニトリのドラム式洗濯機は価格の安さだけでなく、機能面でも十分に競争力があると感じます。
ただ、家電選びで大切なのは「スペックだけでは見えない部分」です。
たとえば、パナソニックの「トリプル自動投入」のような使い勝手の良さ。
東芝の「ウルトラファインバブル」による繊維の奥までの洗浄力。
日立の「風アイロン」、シャープの「プラズマクラスター」による衣類ケア。
どれも「暮らしを整える設計」が練り込まれています。
なによりもパナソニックや日立のような国内メーカーは、十年以上にわたり製品の改良をしてきた積み重ねがあります。
使った人の声を反映して作られてきた「時間の信頼」が強みですね。
一方で、ニトリやハイセンスのような新参メーカーに対しては、「実績が少ないから不安」という声もあると思います。
確かに、耐久性やアフターサービスなどは未知数です。
でも近年、ハイセンスは海外のノウハウを日本仕様に磨き、ニトリも品質を高めています。
ヤマダデンキなどもオリジナルモデルを展開し、「手の届く価格」と「設置しやすいサイズ」を実現しています。
つまり、今は大手メーカーの安心と新しいメーカーの挑戦が並んで選べる時代。
あとは、どんな暮らしをしたいかで選び方が変わります。
運転音の静かさを優先するのか、デザインか、コスパか。
“自分の生活に合う一台”を見つけることこそ、いちばん満足できる選択だと思います。
いかがでしたでしょうか?
昨年発売されたニトリのドラム式洗濯機同様、今回発表されたドラム式洗濯機も話題になりそうです。
個人的には、この機種が発売されたことによって大手メーカーがどういった動きを見せるのか?
ヤマダデンキのような量販店がオリジナルモデルを販売するのか?
このあたりの展開が非常に興味深いです。
高い確率で2026年はニトリ、ハイセンス、ヤマダの三つ巴の戦いが凄いことになることが予想されます。
今後の動向に期待しましょう。
今回の記事が皆さんの家電選びの決め手になったら嬉しく思います。
今回も最後までご視聴いただき、ありがとうございました。




