いらっしゃいませ、家電の虎です。
今年はどんな点に注目なのか?そして最近のトレンドについて解説していきます。
まずは今年のモデルのトレンドや個人的に気になった点からお話をしてきます。
今年のトレンドと気になった点
正直、2023年と2024年モデルでほとんどのメーカーが、大きな差がないのが実情です。
そのなかでも日立はけっこう変化があるんですけどね。
そんな縦型洗濯機業界における今年のポイントは、主に3点。
- 乾燥機付きモデルが減少した
- 風呂水ポンプが付属しない流れが加速している
- タイパを重視した「時短コース」などの搭載
です。
乾燥機付きモデルが減少した
1つ目の「乾燥機付きモデルが減少した」という点。
2024年モデルの1番の変化だと思います。
結論からいうと、
パナソニック → 乾燥機付きモデルは発売無し
日立 → 8~12kgの4機種だったものが、8・10kgの2機種に減少
東芝 → ラインナップ数に変更なし
アクア → ラインナップ数に変更なし
シャープ → 10kgモデルをやめて、計5機種から計4機種へ減少
といった具合に、縦型洗濯乾燥機が減っています。
特にパナソニックはその方向性がハッキリしていて、縦型洗濯乾燥機自体をやめてしまいました。
1番大きな理由は、「乾燥したいならドラム式洗濯乾燥機を買って欲しい」というメーカーの想いでしょうね。
僕ら店員も、「洗濯物は乾燥までしたいんです」なんてお客様には基本的にドラム式洗濯機をおすすめします。
理由としては、電気代が安い点や衣類の縮みや色あせなどが少ない点が、縦型洗濯乾燥機よりも優れているからです。
パナソニックなんかは、お値引きできない指定価格商品であっても、ドラム式洗濯機はよく売れますから縦型洗濯乾燥機は必要ないと判断したんでしょうね。
とはいえ、東芝はかわらず8・10・12kgの3機種を展開する予定ですし、シャープも1種類減ったにしろまだまだ乾燥機付きモデルをやめません。
アクアは1機種しかないですけど。
「乾燥機能は欲しいけど、ドラム式タイプは設置スペースがなくて買えない」
「洗濯機とは別に、衣類乾燥機を買うまではしたくない」
そんなお客様には、まだまだ縦型の乾燥機付きモデルは大事な選択肢です。
風呂水ポンプが付属しない流れが加速している
それでも徐々に縮小していく流れにはあるんだな、というのが2024年モデルで1番強く印象に残ることですね。
2つ目は「風呂水ポンプが付属しない流れが加速している」という点です。
これは別に気に留めることもないお客様も多そうですね。
2024年度は、シャープが乾燥機ナシの縦型洗濯機すべてに風呂水ポンプを同梱することをやめました。
1番の理由はもったいないからだそうです。
風呂水ポンプは、お風呂の残り湯を洗濯もしくはすすぎにまで使うことで、節水をしたい方には必要な付属品。
けれど実際には、使わない方が多いんです。
店頭でお客様と話していても、風呂水ポンプを使っていない方が大半という印象があります。
理由としてよく見聞きするのは、手間がかかるということや衛生面が気になるということ。
風呂水ホースを浴槽に沈めて、使い終わったら水が床に落ちないように気を付けながら片づけて。
毎回そんな手間をかけるのが嫌な方。
お風呂の残り湯なんて、ちょっと汚く思えて使えない方もいますよね。
実際、お風呂を出てすぐ洗濯に使うならまだいいのですが、翌朝など時間が経過するとお湯の中のバクテリアや雑菌の数が数千倍になるという研究もあります。
そもそもシャワーだけで、お風呂にお湯をためないなんて方も一定数いらっしゃいますしね。
そんなわけで、付属品として準備しても使わない方が多い = ムダなゴミになってしまう。
だったら同梱するのをやめよう、という流れです。
パナソニックなんかはいち早く風呂水ポンプの同梱をやめていますし、来年や今後は他のメーカーもやめるんじゃないかなと思います。
そのため、風呂水ポンプは必要だ!ってお客様は、洗濯機購入の際にしっかりと風呂水ポンプの有無を確認してから選んでくださいね。
タイパを重視した「時短コース」などの搭載
3つ目の「タイパを重視した「時短コース」などの搭載」については、パナソニックの新機能です。
パナソニックは、2024年モデルに新たな「時短コース」を搭載。
約24分で洗濯を完了できるので、時間がない時や色物など洗濯物を分けて複数回選択したいときに有効なコースとなっています。
7kgモデルでは衣類容量3.5kg、10kgモデルなら5.0kgなど、洗濯機の容量によって対応できる衣類の量は違う点にだけ気を付けてください。
それでも3.5kg分の衣類なら、約2人の1日分の洗濯物に相当します。
時短コースでも実用的な衣類量が洗濯できるのは、お客様によっては喜んでいただける機能ではないでしょうか。
他のメーカーでも、洗濯容量1.5kgくらいと対応衣類量は少ないですが時短コースは搭載されています。
タイムパフォーマンス(タイパ)を気にする方もいらっしゃるので、そういったニーズに合わせてきているんだな、という洗濯機業界のトレンドが今後も加速するかもしれませんね。
では次に各メーカーの特徴を簡単にご紹介していきます。
縦型洗濯機メーカー別比較
日立、パナ、東芝、シャープ、アクアの5つのメーカーにおいて、7kg以上のインバーター搭載シリーズに焦点を当ててご紹介いたします。
日立 縦型洗濯機の特徴
ではまず1つ目は日立。
ビートウォッシュの名前でご存じの方も多いと思います。
特徴は、高濃度の洗剤液を浸透させ、強力な水の力で洗い流す「ナイアガラビート洗浄」による洗浄力です。
また、洗濯槽の自動洗浄機能においては、すすぎのあとにキレイな水道水で洗い流す方式を採用しており、他社より清潔性が保たれるのもおすすめポイントです。
2024年モデルになって1番変化しているのも実は日立。
ちょっと進化・変更点が多いのでまとめてご紹介しますね。
・乾燥機能付きモデルが、8kg・10kgモデルの2機種に減少しました。
・洗剤自動投入用タンク容量がアップし、補充の手間が抑えられています
・「ナイアガラ2段洗浄」に洗い方がパワーアップ。水流を出すシャワー口が下段にも搭載され、低水位時に下段シャワーで高濃度洗浄液を衣類にしっかり浸透させ、より洗浄力アップ。
・手動での洗剤・柔軟剤投入口が他のメーカーと同じように1か所にケースになりました。
ここは他社に比べて使い勝手で負けていたので、ようやく改善されたポイントです。
乾燥機能付きモデルと7kgモデルは従来通り。
・おしゃれ着コースの追加。デリケートな衣類も約30分で、やさしく洗い上げます。
・8~10gkモデルで、糸くずフィルターが2ヶ所→1か所に変更。お手入れの手間が緩和されています。
・8~10kgモデルにおいて、フタが強化ガラスに変更。洗濯中に中が見える仕様になりました。個人的には、洗濯中の槽内を見たいのですごく良い変更点です。
・8~10kgモデルだけですが、本体サイズにおける「高さ」が低くなりました。
8kgモデル(V80シリーズ)では約7cm、10kgモデル(X100シリーズ)では約5cmとけっこうコンパクトに。
これにより洗濯物が取り出しやすくなり、設置の際に蛇口に当たりにくくなるなど進化しています。
進化・変更点をまとめてお話ししちゃいましたが、洗浄力に定評のある日立・ビートウォッシュが、より使い勝手が良くなった!とご理解いただければ嬉しいです。
特に個人的に「おっ!」と思ったのは、洗剤投入ケースの採用と、高さが低くなった点。
従来の日立の洗濯機は、洗剤投入口は洗濯槽内にあり、柔軟剤投入口は洗濯槽のふちに別々にありめんどくさかったんですよね。
それが1か所にまとまったのは非常におすすめしやすくなりました。
本体の高さも、他社より高めだったので、設置しやすく衣類が取り出すくなった点も良いですね。
しっかり汚れを落とす洗浄力と洗濯槽の清潔性を保てる点に加え、使い勝手の向上した日立のビートウォッシュ。
2024年モデル、おすすめです。
パナソニック 縦型洗濯機の特徴
2つ目は、パナソニック。
2024年モデルになっての進化点は2つあります。
12・11kgモデルのみですが、洗剤自動投入機能に選べるタンクが搭載された点と、「時短コース」の追加です。
洗剤自動投入機能のタンクが3つになり、洗剤・柔軟剤に加えおしゃれ着洗剤もしくは酸素系液体漂白剤も自動投入できるようになりました。
おしゃれ着洗剤はエマール、漂白剤はワイドハイターが代表例ですね。
これまでの洗剤自動投入機能では、ワイドハイターのような漂白剤は使えず、手動で量って入れるしかありませんでした。
それがパナソニックなら、ワイドハイターを使いたいときでも自動投入に任せられるので、ここは他社にない特徴です。
「時短コース」についてはすでにお伝えしましたが、3.5~6.0kgの衣類を約24分で選択できます。
時短ながらすすぎ2回の設定もできますし、ただ短い時間で洗濯できるだけでなく、しっかり洗濯しながら短時間で終わらせたい方におすすめできます。
その他、パナソニックの洗濯機は、洗剤を泡立てて汚れを浮かす「スゴ落ち泡洗浄」による洗浄力や、衣類が取り出しやすい設計も好評です。
特に洗濯物の出し入れがしやすい「ビッグサークル投入口」は、毛布などの大物衣類を自宅で洗いたい方にはおすすめなんです。
また、臭いや雑菌対策ができる「次亜除菌コース」を搭載したモデルもあります。
専用の錠剤を使用しますが、次亜塩素酸を用いてしっかり除菌ができるのはパナソニックのみ。
独自の洗濯コースや洗濯物の出し入れがしやすいデザインなど、使い勝手の良さを求めるなら、パナソニックの洗濯機はぜひチェックしてほしいと思います。
東芝 縦型洗濯機の特徴
3つ目は、東芝。
衣類の繊維のすき間より小さい泡「ウルトラファインバブル」を利用した高い洗浄力とすすぎ力が特徴です。
よく店頭では、「汚れ落ちがいいシャワーヘッドの洗濯機版みたいなものです」なんてお伝えすると「あー!なるほど」なんて良い反応をいただけます。
また、Ag+抗菌水も東芝独自の技術です。
本体に内蔵されたAg+抗菌ユニットが、水道水を抗菌水に変えることで洗濯物の生乾き臭などを抑えてくれます。
制汗スプレーなどでも知られている銀イオンの力を、約10年間特に部品の交換も無く使えるおすすめポイントです。
モーターにも、低騒音・低振動がうりのDDモーターを搭載。
他社より運転も静かなので、夜に選択したい方や、集合住宅にお住まいの方に喜ばれる特徴です。
2024年モデルになり追加されたのは、槽洗浄めやすサインが追加されたくらいで正直ほぼ変わっていません。
「新型になって何が変わったんですか?」って聞かれて困るやつですね。
風呂水ポンプは付属しているし、乾燥機能付きモデルのラインナップも変わらず販売されているので、乾燥機能が欲しい方にも選びやすいメーカーです。
シャープ 縦型洗濯機の特徴
4つ目は、シャープ。
シャープの特徴はなんといっても、穴なし洗濯槽。
今年で開発から32年目の人気技術で、節水性と清潔性に優れた洗濯槽になっています。
洗濯槽の外側に水を溜めずにすむので、他社より使用水量が少なくすみますし、洗濯槽の外側に付いた黒カビの侵入を防ぐのでキレイに使い続けたい方におすすめです。
2024年モデルでは、洗剤自動投入機能付きモデルが10kgと11kgの2機種に増えました。
シャープの洗剤自動投入タンクは、お手入れが6か月に1回程度でいいので他社よりお手入れの手間がないのも特徴。
ほとんどのメーカーでは、自動投入タンクは3ヵ月に1回が目安なので、めんどくさいのが嫌な方に向いています。
ただ、乾燥機能無しモデル全てにおいて、風呂水ポンプは同梱されなくなったのも今年の変更点。
洗濯時に風呂水を使いたい方は、ちょっと気を付けてほしい仕様に変わっています。
それでも内ブタのない乾燥機能や、スタイリッシュなデザイン性など、他社にない独自性が魅力をもつのがシャープ。
なるべく手間がかからない洗濯機をお探しの方にもおすすめしたいメーカーです。
アクア 縦型洗濯機の特徴
最後5つ目はアクア。
中国のメーカーですが、最近では敬遠するお客様はほとんどいなくなってきた印象です。
豊富なサイズラインナップも特徴で、縦型洗濯機だけでも21機種という圧巻の品ぞろえ。
なかでも12kgや14kgだけでなく、業界最大容量の16kgモデルまであるので、さまざまなお客様のニーズに応えられるのはさすがです。
約半数が洗剤自動投入機能を搭載し、上位機種であるVXシリーズでは超音波洗浄機を備えています。
この超音波洗浄機「らくらくSONIC」は、襟などについた皮脂汚れや、食べこぼし飲みこぼしによるシミなどを洗濯前に予洗いできる機能です。
毎秒4万回振動の超音波洗浄により、繊維の奥までシミ抜きできるのは実際に使ったお客様から好評な機能なんですよ。
そんなアクアの2024年モデルでは、洗剤自動投入機能を使った「2度洗いコース」の採用と、メンテナンスの手間が減ったのがポイント。
洗濯容量5kgまでですが、しっかり洗いたい時に自動で2回洗剤を投入して洗ってくれます。
洗剤の自動投入システムのメンテナンスも、従来なら2,3ヵ月に1回必要だったのに対して、5,6か月に1回で大丈夫になりました。
お手入れの手間が減ったのはいいことです。
豊富なサイズラインナップと、超音波洗浄などの独自機能、それと価格の安さが魅力なアクア。
海外メーカーではありますが、今年もけっこう売れると思いますので気になったらチェックしてみてくださいね。
まとめ
それでは今回のまとめです。
本日は縦型洗濯機の2024年モデルのトレンドと注意点、メーカーの特徴についてご紹介いたしました。
メーカーごとに魅力はありますが、今年おすすめのメーカーとしては、個人的に「日立」だと思います。
もともと高い洗浄力は好評でしたが、入れづらい洗剤ケースだったり、やや大柄な本体サイズなどを改良してきて隙がなくなった印象です。
乾燥機能付きモデルは2機種になっちゃいましたが、今年おすすめのメーカーとして性能良い仕上がりだと思います。
「どれ買ったらいいか迷ってしまう・・・」なんてときは、まず日立の洗濯機に注目してほしいと思います。
種類の多い縦型洗濯機ですが、今回の内容が少しでも選び方の参考になれば嬉しいです。
本日はここまでになります。
ご覧いただきありがとうございました。
次回のご来店お待ちしております。