縦型洗濯機、今日はシャープのお話をしていきたいと思います。シャープは他メーカーと違うところはやはり洗濯槽に穴がないことですよね。
でもこれが果たして本当にいいものなのか?そしてどんな人におすすめなのか解説していきます。
いらっしゃいませ、家電の虎です。
シャープの洗濯機、僕はお店で接客をする時はとてもやりやすいです。特徴が結構ありますし上手く他社と差別化ができているからです。
でも実際に購入したお客様からの声はどうなのか?お伝えしていきます。
シャープ縦型全自動洗濯機に興味を持たれるお客様にとって「穴無し洗濯槽」は重要なポイントです。
まずは穴無し洗濯槽のメリットを「清潔」「節水」「洗浄力」の3つで解説しますね。
シャープ縦型洗濯機 穴なし洗濯槽のメリット

①清潔性について
穴無し洗濯槽のメリットの一つが「清潔な水で洗濯が出来ること」これは他のメーカーには無い特徴です。
他メーカーの穴が空いている洗濯槽は、裏側が黒いカビで汚れますし、その裏側の掃除に苦労されているお客様がとても多いんです。
裏側のカビ汚れが洗濯槽の中に入って、洗濯物に黒い汚れがついてしまったり、汚れ具合によっては、洗濯槽クリーナーで掃除しても、すぐ黒い汚れがついてしまうケースもあるようです。
僕も洗濯機売り場で、黒カビ汚れに苦労されているお客様のご相談もうけるのですが、正直なところ、黒カビ汚れが多発する場合は槽洗浄だけでキレイにするのは難しいかなと。
最近では洗濯槽を分解して裏側の汚れを直接落とす洗浄サービスもあるので、そういった提案をするケースもある位です。
穴無し洗濯槽であれば、文字通り「穴が無い」ので、洗濯槽の裏側についた汚れが槽の中に侵入するのを抑えることが可能です。
またシャープはとことん洗濯機の清潔性にこだわって、洗濯槽の底裏までステンレス槽仕上げと、パルセーターと糸くずフィルターの樹脂部分に抗菌抗カビ加工もされています。
また脱水の水を利用して、洗濯槽の裏側を上から洗い流しているのですが、脱水の水はどこから出ているのか?これは洗濯機売り場でお客様からよく質問されます。
脱水の為の穴が開いていないので、洗濯槽の底から集中排水して溜まった水を底から抜ききります。
さらにわずかに1°に傾斜させたすり鉢状の洗濯槽と、1分間に最大約1.000回の高速回転で強い遠心力を生み出します。
この2つの相乗効果で、衣類に残った水は槽に沿って上がっていく次第です。
確かに洗濯槽に穴は開いていないのですが、底部パルセーターには穴が開いていますし、洗濯槽上部を囲んでいるフチ部分の裏側の見えない部分にも穴が開いています。
穴無し槽の裏側には洗いやすすぎの時に水が溜まりませんが、脱水の時に水が通っているので、やはり濡れているんですよね
なので、よくよく注意して欲しいのは、穴無し洗濯槽は「汚れが洗濯槽の中に侵入しにくい」と言っていて「洗濯槽の裏側は汚れない」訳で はないのです。
ご使用方法や使っている洗剤によっては、パルセーターの裏に洗剤カスなどを原因としたカビ状の汚れがつき、洗濯槽内に混入する場合があると、これはシャープも明言しています。
実は実際に数年使用した穴無し洗濯槽の裏側の写真を見たことがあります。
洗濯槽の裏側は確かに汚れてはいなかったのですが、パルセーターの裏側や洗濯槽の底裏側は、そこそこ汚れていましたよ。
穴無し洗濯槽=汚れない訳ではないとはいえ、使っているお客様からは「穴無し洗濯槽がとても気に入っています。カビを気にしなくて良いのが嬉しいです」と満足度はかなり高いです。
また一度使ったお客様が、次に買い替える時も穴無し洗濯槽と言われ、リピートされる方も多い位に評判は良いですよ。
やはりシャープの穴無し洗濯槽は、魅力あふれる素晴らしい技術なのは、間違いないようですね。
②節水について
穴無し洗濯槽は1990年ごろから開発が始まり、当時は地球温暖化からの水不足が深刻な問題になっていました。
また家庭で使う水の約30%が毎日の洗濯ということもあり、洗濯槽と外側の槽の間にたまるムダ水に着目したのがシャープだったんですね。
もちろん、ムダ水を必要としないので、節水効果が高いこと・特に洗濯回数の多いご家庭では、穴無し洗濯槽に魅力を感じていただけるご様子です。
では実際にどれ位の節水になるのか?具体的に比較検証をしてみましょう。比較するのはインバーター搭載8キロモデル「シャープ・ES-GV8J」と「パナソニックNA-FA8K3」の2モデルになります。
各洗濯機のスペックは
〇シャープ・ES-GV8J→標準使用水量83L
〇パナソニック・NA-FA8K3→標準使用水量97L
※水道代1L→0.24円で計算
1回あたりの水量の差はシャープとパナソニックでは14Lシャープの方が少ない
1回あたりの水道代の差額は3.36円→1ヶ月約104円節約
1年間1248円の差額→10年使用時12.480円の節約になります。
これは1日1回洗濯する場合で、最近は1日2回洗濯や分け洗いをするなど、複数回洗濯機を使うご家庭も多くなってきています。
1日2回洗濯機を使う場合は28Lシャープの方が節水
水道代の差額は約6.72円→1ヶ月約208円節約
1年間2.496円の差額→10年使用時24.960円の節約になります。
「水道代の高い地域なので、少しでも安くなればと購入しました。以前の洗濯機よりも確かに節水は出来ている」と節水効果・水道代の節約に期待されるお客様が選ばれているご様子。
実は、穴無し洗濯槽は間違いなく節水効果はかなり高いものの、実際に使われているお客様の評判が分かれているんです。
実際に使っているお客様からは
〇水量が以前の洗濯機に比べると断然少ないので、洗剤類の節約になる
〇一日に2回は洗濯機をまわすので、節水になったのは嬉しい
と節水に満足されているご様子ですが、その一方で
など節水が特徴にもかかわらず、水の量に満足できずに自分で多めにされる方が結構いらっしゃるのはビックリですよね。
もちろん、シャープでも、テストや試作を繰り返していますし、自動で水量設定に問題がない上で商品化しているので、決して故障ではないのですが。
これは僕個人の見解なのですが、洗濯機は「数値化」するのが難しい商品だと思っています。
例えばエアコンであれば室温何℃とか、冷蔵庫であれば庫内何℃というように、運転基準は数値化出来ます。
もちろん洗濯機も使用水量何Lと数値化されてはいるのですが、使う水が少ないからこそ節水への満足度が高いお客様がいる一方で、少ない水だと洗えていない・汚れが落ちないと不満に感じる場合もある様です。
水の量が明らかに少ないことが満足なのか?
それなりに水も使って、明らかに洗えている感がある方が満足なのか?
ここは使われる方の「感覚・気持ち」に関わってくるのかもしれませんね。
③洗浄力について
「家電の虎さん、穴無し洗濯槽の魅力はよーくわかったけど、肝心の洗浄力はどうなの?」とそろそろツッコミが入りそうですね。
もちろん!洗濯機は洗浄力が肝の商品ですから、洗浄力についても紹介していきます。
穴無し洗濯槽で少ない水でも衣類の汚れをしっかり落とす工夫は
〇竜巻上に巻きあがった水流のもみ洗い
〇洗濯槽内壁のダイヤカット形状によるこすり洗い
この2つが洗浄力のポイントになっています。
特に「パワフルドルフィンパルセーター」は、シャープ独自のネイチャーテクノロジーの基づいた、特徴がある内容です。
このパルセーターはイルカの尾びれと表皮のシワ形状を応用。イルカの高速遊泳にヒントを得ています。
洗濯槽の中で衣類の上下の入れ替わりを素早くさせた上に、強い流れを生み出すパルセーターをイルカの高速遊泳をヒントに作り出したんですね。
余談にはなりますが洗濯機だけではなく、アホウドリ・イヌワシ・アマツバメの翼などを応用、自然の摂理から学ぶ「ネイチャーテクノロジー」を商品作りに活かしています。
このネイチャーテクノロジーはシャープの登録商標であり、他のメーカーには無いシャープ独自の特徴でもあるんです。
では実際に使われたお客様から洗浄力の評判は
〇10年使った穴無し洗濯槽からの買い替えですが、脱水も洗浄力も普通
〇オーソドックスな洗濯機なので、洗浄力は可もなく不可もなく
と至って普通な評判が多いようです。
では穴無し洗濯槽に特化した洗浄力の評判としては
〇以前のモデルでは洗濯槽の穴に衣類がひっかかって傷むことがあったが、穴無し洗濯槽では傷むことがなくなった
と好評な一方で
〇洗濯物同士がこすれて、傷んだことが数回ある、他社の洗濯機のころにはこのようなことは無かった
というお声も頂いています。
シャープ縦型洗濯機は他社にはない特徴があり尖がった内容だけに、すごーく評判が良いか?他のメーカーには感じなかった不満出てくるのか?両極端な場合が多いのは否めません。
穴無し洗濯槽のメリットとデメリットがご自宅の洗濯機ご使用状況にどこまで合うのか?ここは一度よくよく検討してみて下さいね。
シャープ穴無し洗濯槽の弱点•デメリット

ここまでシャープ穴無し洗濯槽のメリットを紹介しました。シャープ独自技術なだけあって、他のメーカーには無い魅力がたくさんありますよね。
そんな穴無し洗濯槽に弱点はあるのか?僕が考えるには
〇脱水がゆるく感じる
〇洗濯槽のお手入れがかなり面倒
この2つだと思います。1つずつ解説していきますね。
脱水がゆるく感じる
穴のある洗濯槽から、穴無し洗濯槽へ買い替えのお客様からは「厚手のタオルやトレーナーを洗うと、脱水がゆるい」など、脱水へのご不満が大なり小なりあるようです。
この動画の前半でも解説しましたが、穴無し洗濯槽は強力な遠心力で、衣類に残った水分が洗濯槽の内側を沿って、上がっていく脱水方法になります。
厚手の布地は脱水がゆるめになるのは否めませんが、脱水がゆるいと感じる場合は脱水時間を手動で長めに設定することで解決している様ですよ。
また洗濯物を洗濯槽の中にぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうと、強力な遠心力でも洗濯槽の内側を沿って水があがりにくくなる状態になるようです。
穴無し洗濯槽の脱水に限らず、洗濯機を使うにあたって洗濯物をぎゅうぎゅうに詰め込むのは好ましくない使い方でもあります。
洗濯機への負担を減らす・洗浄効率を上げるためにも、洗濯物は適量を入れるようにしましょうね。
洗濯槽のお手入れがかなり面倒
シャープ穴無し洗濯槽に興味を持たれるお客様の中には「洗濯槽が汚れないから、お手入れがラクになる」「穴無し洗濯槽なら、洗濯槽クリーニングをやらなくても大丈夫」と考えている方が結構いらっしゃいます。
ここまでくるとしつこいなと、僕も気が引けますが、大事なことなのでもう一度言います!穴無し洗濯槽は槽の裏側の汚れが侵入しにくいのであって、汚れない訳ではないのです。
もちろん、洗濯槽のニオイが気になることもあるようですね。
ニオイが気になる場合は
1.槽洗浄で洗濯槽の内側のクリーニングをやってみる
注意:槽洗浄コースでお手入れが出来るのは、穴無し洗濯槽の内側のみで、裏側のお手入れは出来ていない
2.それでもニオイが取れない場合は排水溝の掃除をやってみる
1.2をやってみてもニオイが取れない場合に「穴無し洗濯槽の外側と内側両方を洗浄する」が説明書に記載されていますが、これがかなーり面倒です。
どんな工程かというと
1.排水ホースを洗濯機本体のホースかけに引っ掛ける
→ホースは長くないとNG。設置の時などに短く切ってしまっている場合は、別売り品の排水ホース継手セットで延長する
え?ホースが長いと邪魔で切ったのに、わざわざ別売品を買ってまで延長するの?面倒くさいとこの段階でドン引きするお客様が多数です。
長さが足りなくて排水ホースが充分に立てられないと、ホースから洗浄液が床にあふれてエラーが出てしまいます。
2.洗濯槽クリーナーを入れてつけおきスタート
3.つけおきが終わりピーピー音が鳴ったら、バケツを沿えながら排水ホースを外して出てきた水をバケツで受ける
4.出てくる水でバケツがいっぱいになったら、排水ホースをホースかけにかける。
5.これを水が出なくなるまで繰り返す
洗濯槽のお手入れは、どのお客様も少なくしたい以上に、無いほうが嬉しい位に思っているのに、この手間と面倒はかなーりイタイです。
お客様から質問されなければ、こちらからは決して話せません。
ただこのお手入れ方法は、ニオイが取れない最後の手順なので、定期的に面倒で大変ではありません。あまり心配しないで下さいね。
まとめ
以上、シャープ縦型洗濯機の評判や穴無し洗濯槽について、その魅力や特徴、また弱点も踏まえて解説しました。
穴無し洗濯槽をはじめ、独自技術や特許技術をふんだんに搭載していて、他社洗濯機には無い独自のメリットや魅力が多数ある素晴らしい洗濯機だと思います。
けれどもここだけの話ですが、お客様にシャープの洗濯機を販売員から勧めることは、まずありません。
僕が考えるシャープの最大の弱点は「家電量販店との協賛があまり上手ではない」ことかなと。
過去の動画で何回かお話をしてきましたが、家電量販店は各メーカー様と一定期間内で協賛することが結構あります。
例えばその週は〇〇メーカー様が協賛して下さっているから、そのメーカー商品の販売必達予算が設定される訳です。
これは僕が勤務する家電量販店の場合ですが、シャープが協賛する機会は少ないので、拡売モデルではないシャープをこちらから勧めることは少ないんです。
そういう裏事情があり実は気付いていないだけで、販売員が勧めているその商品は、あなたに合う商品だとは限りません。
シャープ洗濯機を提案する機会が少ないだけに、この動画で普段聞くことが少ない穴無し洗濯槽のメリットデメリットなどをお伝え出来たら嬉しく思います。
意外にシャープの洗濯機があなたに合うかもしれませんよ。