いらっしゃいませ、家電の虎です
ブラックフライデーや冬のボーナスなど、さまざまな要因はありますが、やっぱり年末から年始にかけてはテレビ市場がにぎわいます。
そんななか、お客様からの質問やお困りごとの相談を受ける頻度も増加しているのがお店の現状です。
「テレビを買う前に知っておいたらよかった」「こんなことで解決するの?」など、知っておけばよくするお話を10選ご用意しました。
詳しくない方向けの内容にはなりますので、視聴者さんによっては「今さらこんな内容なんて」と言われそうですが、おさらいという考えてぜひ見ていってください。
購入前に知っておくべきこと

①液晶と有機ELはどう違うの?
まずやっぱり店頭で多いご質問は、「液晶と有機ELは何が違うんですか?」ですね。
うちのチャンネルの動画をいつも見てくださっている方には不要かもしれませんが、あらためて簡単に違いをご説明いたしますね。
液晶テレビ | 有機ELテレビ | |
明るさ | ◎ | △ |
黒色の表現力 | △ | ◎ |
残像感の少なさ | 〇 | ◎ |
視野角の広さ | △~〇 | ◎ |
画面サイズの種類 | ◎ | △ |
価格 | 〇~◎ | △ |
すごくおおざっぱに違いを比較するならこういった形になります。
液晶テレビの特徴としては、
- 明るく鮮やかな映像が得意
- 19型~100型あたりまでサイズの種類が豊富
- 機種が多いので価格もピンキリ
液晶テレビがおすすめな人は、
- 日中や明るい部屋でテレビを見ることが多い人
- バラエティなど明るく鮮やかな映像が好きな人
- 自分の部屋にあったサイズや予算から選びたい方
有機ELテレビの特徴しては、
- 完全な黒色が再現ができるためハッキリした映像が得意
- 応答速度に優れが残像感が少ない
- 斜めから見ても色変化が気にならない
有機ELテレビがおすすめな人は、
- 暗いシーンの多いドラマや映画が好きな人
- スポーツやレースなど動きの速い映像をよく見る人
- 視野角が広いので壁掛け設置がしたい人
至極簡単ではありますが、特徴をおさえていただくとしたらこんな感じです。
で、さらに液晶テレビにも有機ELテレビにも、より高画質なモデルが近年登場しています。
液晶テレビでは『Mini LED液晶テレビ』、有機ELテレビでは『マイクロレンズ有機ELテレビ』と『QD-OLED(量子ドットパネル有機ELテレビ)』です。
それぞれ従来のテレビより高画質なので、リアルで美麗な映像にこだわりたい方は覚えておいて損はありません。
液晶テレビ | Mini LED液晶テレビ | 有機ELテレビ | マイクロレンズ有機ELテレビ | QD-OLED | |
明るさ | 〇 | ◎ | △ | 〇 | 〇 |
色表現力 | △~〇 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ |
黒色の表現力 | △ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
残像感の少なさ | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ |
視野角の広さ | △~〇 | 〇~◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
画面サイズの種類 | ◎ | 〇 | △ | △ | △ |
価格 | 〇~◎ | 〇 | △ | △~✕ | △~✕ |
Mini LED液晶テレビは、従来の液晶に比べて明るさも黒の表現力もアップしています。
そのため、有機ELテレビに近い黒表現ができ、液晶テレビの上位モデルとして人気が高いです。
対して、有機ELテレビの上位モデルに、マイクロレンズアレイとQD-OLEDがあります。
マイクロレンズアレイは明るさが抜群に向上しておりこれまでよりリアルな映像表現が可能です。
QD-OLEDは、明るさもさることながら、量子ドットによる色再現力が非常に高く、有機ELのメリハリのある映像を色鮮やかに楽しめます。
もちろん性能が向上している分、価格も高くなりますから、予算と相談しながら選ぶことがより重要になりますね。
それでも明確に違いが分かるというご意見が多いくらいなので、これからテレビを購入検討する方は、なんとなくでも頭に入れておくのがおすすめですよ。
②手持ちの機器とつなげられるか

2つ目は、手持ちの機器とつなげられるかを確認しておきましょう。
お客様からお問い合わせが多いのは、昔から使っているレコーダーやゲーム機など、赤白黄色のRCAケーブルでつなげられますか?といったものが圧倒的。
HDMIケーブルで接続する機器なら特に問題ないんですが、DVDプレーヤーや任天堂のWii、昔から使っているビデオカメラなどがそうですね。
最近のテレビは、赤白黄色の接続端子がなく、専用の変換アダプターを別に購入しないといけない機種が多いです。
それを知らずにテレビを買った後に、わざわざまた店頭に買いに来てる方なんかも案外見るので、テレビを買う前には自分が今使っている機器など、接続したいものとケーブルの種類などは確認しておきましょう。
ホームシアターシステムなどに必要な音声光デジタル端子なども、一部の安い液晶テレビにはなかったりするので注意が必要ですよ。
③サウンドバーや手元スピーカーなど機器はつなげられるか
3つ目は、サウンドバーや手元スピーカーなど、テレビ購入後に追加で買うかもしれない機器がつなげられるか、という点も確認しておいた方がいいですね。
サウンドバーに関してはそこまで難しいことではなく、ほとんどの機種がHDMIケーブルでの接続です。
ただ、基本的にはテレビの足元に設置するのがベストなので、テレビのスタンド部の高さや、設置する予定のテレビ台の奥行きに余裕があるか、などを確認しておいてください。
あと、年配のご家族がいらっしゃる方は、ネックスピーカーや手元スピーカーなどを使うことがあるもしれません。
「テレビの音が聞こえにくい」「家族が聞き取りづらいからと音量をだいぶ上げてしまって周りが困っている」そんなお客様が対策として、ネックスピーカーや手元スピーカーを買いに来られるケースは増えています。
そんな時に、お手持ちのテレビにどんな接続端子があるか、どんな音声設定ができるかなどの情報があると、店員としては適切なご案内ができるんです。
一般的な手元スピーカーなどは、テレビのイヤホン端子につなぐことが多いんですが、ただ接続しただけだと、手元スピーカーからは音が出るようになりますが、テレビのスピーカーからは音が出なくなります。
1人で視聴している場合にはいいのですが、家族など複数人でテレビを見ている場合にはそれって困りますよね?
その場合は、テレビの音声設定で『テレビとイヤホンの同時出力』設定をすると、テレビとイヤホン端子の両方から音が出るようになるんです。
多くのテレビにはこの設定が採用されていますが、無いテレビもありますので注意が必要です。
テレビと手元スピーカーの双方が、光デジタル音声出力端子に対応していれば、光デジタルケーブルで接続すると両方から音が出るので、この方法も使えます。
ちょっと難しい話をしましたが、テレビに接続したい機器がある場合、テレビの機種によってつなぎ方やつなげられる適切な機器が変わってくるということです。
まあ正直、必要になったときに購入したテレビに合わせて、機器を選べばいいのですが、知っておいて損はないと思いますよ。
④外付けHDDへの録画はどれくらいできるのか

4つ目、外付けHDDへの録画がどれくらいできるのかですね。
地デジやBSを録画する方はまだまだおられます。
それでもブルーレイレコーダーではなく、外付けHDDで録画する割合が右肩上がりなので、テレビ購入前にここはぜひおさえておいてほしいですね。
テレビの機種によって、同時録画番組数がことなります。
たとえば、レグザとソニーを例にあげますね。
エントリーモデルのM550Mシリーズと、スタンダードモデルのZ670Nシリーズ、それとソニーのスタンダードモデルのX90Lシリーズで見てみますと、
M550Mシリーズ | Z670Nシリーズ | X90Lシリーズ | |
地デジ | 2番組同時録画 | 裏番組(1つだけ)録画 | 2番組同時録画 |
BS・110度CS | 2番組同時録画 | 裏番組(1つだけ)録画 | 2番組同時録画 |
4K衛星放送(4K BS) | 裏番組(1つだけ)録画 | 裏番組(1つだけ)録画 | 2番組同時録画 |
このような違いがあるんです。
店頭での商品カードやカタログの仕様書にテレビに内蔵されている『チューナー数』という記載があり、そのチューナーの数によっていわゆるダブル録画ができるかどうかがことなります。
さきほどの表を内蔵のチューナー数で見るとこんな感じに。
M550Mシリーズ | Z670Nシリーズ | X90Lシリーズ | |
地デジ | 3 | 2 | 3 |
BS・110度CS | 3 | 2 | 3 |
4K衛星放送(4K BS) | 2 | 2 | 3 |
例えば、チューナー数が『3』なら、
番組を見るのにチューナーを『1』、裏番組の録画にチューナーを『2』使うことでダブル録画が可能になります。
まあテレビの性能によって、番組録画が1つしかできないのか、2つできるのかが変わってくることだけ認識していただければOKです。
ちなみに32型以下のテレビはほぼ全てのモデルが1番組録画しかできません。
また、それ以上のサイズでも、各メーカーのエントリーモデルはほとんど2番組同時録画はできませんから注意してくださいね。
余談ですが、『録画できる時間』は外付けHDDの容量によって違います。
⑤テレビのサイズは部屋の広さよりも視聴距離でみるべし

知っておいてほしい内容の5つ目は、テレビのサイズ選びは視聴距離で選ぶということです。
店頭でお客様からいただく質問の多くに、
「私の部屋が〇〇畳なんですが、どれくらいのサイズのテレビがいいんですか?」
というものがあります。
その質問に対して必ず私が聞き返すのが、
「お部屋の広さは分かりました。では、実際に見ている距離はどれくらいですか?」
です。
テレビの視聴距離には、メーカーが推奨している最適視聴距離があります。
フルHDテレビなら画面の高さの約3倍、4Kテレビなら画面の高さの約1.5倍の距離が目安です。
また、『日本人間工学会』という団体が発表している内容では、テレビの見やすい位置は画面の高さの約3.7倍らしいです。

この情報をもとに、43型からサイズ別に距離をまとめますとこのようになります。
フルHDテレビの最適視聴距離 | 4Kテレビの最適視聴距離 | 実際に見やすい目安の距離 | |
43型 | 約1.6m | 約0.8m | 約2.4m |
50型 | 約1.8m | 約0.9m | 約2.6m |
55型 | 約2.0m | 約1.0m | 約2.8m |
65型 | 約2.4m | 約1.2m | 約3.1m |
75型 | 約2.8m | 約1.4m | 約3.5m |
どうでしょう?
メーカーの推奨視聴距離については、「そんなに近くていいの!?」って思いませんでしたか?
店頭でもこの内容をお伝えすると、だいたい驚かれます。
最適視聴距離の基準としては、画面のドットが目立たず視野いっぱいにキレイな映像が広がる距離とされています。
また、実際に見やすい目安の距離は、字幕なども含めて映像の見やすさや目の疲れを考慮した場合の距離です。
あくまでもこれらは目安であり、テレビのメーカーや機種、見るコンテンツなど状況によって異なりますが、「思っていたより近くで見てもいいんだね」と言われることがおおいなあと思います。
実際に僕も自宅のテレビは、65型を約2.2mくらいのきょりから見ていますが、特には見づらいなどの感覚はないですかね。
U-NEXTで映画を見た時も、子供が「大っきい画面で映画館みたい!」と喜んでくれたものです。
6畳の部屋でも、間取りや見る位置って人によって違うと思いますから。
大事なのは部屋の広さではなく、実際に見る距離を基準にテレビのサイズを考えるようにすると満足度の高いお買い物になりますよ。
もちろん、65型を1.5mみたいな近場から見ると、目が疲れるし見づらいです。
映画館で一番前の席とか、映画を見るの大変じゃないですか?
大画面にあこがれる方は多いですが、見る環境に合ったテレビを選びましょうね。
⑥設置スペースの確認は忘れずに
6つ目は、設置スペースの確認です。
これはだいたいの方がやっていると思うので、今さらではありますね。
置く予定のテレビ台の幅や奥行き、家具調の棚であれば高さもチェックが必要です。
もう最近は少なくなりましたが、数年前なら大型テレビに買い替えた方が、配達に行ったらテレビ台の奥行きが足りずスタンドがはみ出して設置不可だったという事例もあります。
ほかにも、75型を購入した方が、2階の部屋に設置するために階段をあがる際に、想定以上に苦労したなんて話はよくあります。
特に、箱や梱包材に入った状態のテレビって、一回り大きいですからね。
テレビを見る位置と併せて、必ず確認しておいていただきたいポイントです。
⑦壁掛け設置がしたいなら金具と一緒に配線や周辺機器のことも考えるべき
7つ目は、壁掛け設置をするなら、金具以外にも配線なども考えよう、です。
テレビを壁掛けにしたいってお客様は、だいたいがご新築やリフォームの際にやってしまうんだって方が多いですよね。
工務店さんなんかがアドバイスに乗ってくれるので、壁の補強や壁掛け金具についてはきちんと確認されている方がほとんどだと思います。
そのうえで、できればテレビ以外の機器に関しても、どう接続して配線をするのか考えてみてほしいんです。
たとえば、サウンドバーなら壁掛けや専用の棚に置きますが、そこまでの配線は?
任天堂switchやPS5のゲーム機をつなぐなら、HDMIケーブルは何m必要ですか?
外付けHDDを使いたいなら、そのHDDはどこに置きますか?それとも電源不要の外付けSSDにする?
などなど、テレビ以外にも周辺機器の設置や配線のことも、同時に考えておくのがおすすめです。
いますぐ必要じゃなくても、たとえば小さなお子さんがいるご家庭ならそのうちゲーム機は買うでしょうし。
配線は壁の中に通すことも多いので、前もって必要そうなケーブルを仕込んでおいてもらうのもアリだと思います。
なかなか、取り付け工事が終わった後で、自分でキレイに行うのは難しいものですから。
友達や壁掛けした人のネットの感想などを参考にして、あとで「あれ、やっておけばよかった!」ってならないようにしてみてくださいね。
⑧「4K放送」を見るにはBSアンテナが必要
8つ目は、4K放送を見るにはBSアンテナが必要な点です。
これはご存じの方も多いと思いますが、現在4K放送の番組を見るためには、BSアンテナが必要です。
地デジでは4K放送はやっていませんし、たぶん今後もしばらくはないでしょう。
地域のケーブルテレビに加入している方や、マンションやアパートなどの共同アンテナ設備で受信している方は、BS4K放送が見れる方も多いと思います。
もし、4K放送に見たい番組がある場合は、自身の環境で見られるか確認してみてはいかがでしょうか。
もちろん、ネットフリックスやプライムビデオなどの動画配信サービスは、多くのタイトルが4K画質に対応しているので、映画やドラマなどぜひ高画質で楽しんでくださいね。
購入後に知っておくべきこと

ここからは、購入後のために知っておいてほしいことを2つご紹介いたします。
とはいっても、何かあったときのために知っておくと便利かも、といったことなので気軽に見てくださいね。
⑨アプリの動作が重たいときはキャッシュクリアをしてみよう
購入後に知っておいた方がいいこと1つめは、アプリの動作が重たいときはキャッシュクリアがおすすめ、です。
最近のテレビでは、YouTubeをはじめとしたいろんなアプリが使えます。
けれど、「なんかアプリの反応が悪いな」「読み込みが長い気がする」なんてことあったりしませんか?
そういった場合は、キャッシュクリアを試してみてください。
『キャッシュ』とは、アプリを使った際、次回以降よりアプリが早く動くよう一時的に保存されたデータのことです。
アプリが快適に使えるための準備みたいなものですが、そのキャッシュをためすぎると逆に動作が重たくなってしまうというわけです。
そのキャッシュを削除する方法ですが、例えばソニーのテレビなら、
リモコンの『設定』→『アプリ』→『アプリをすべて表示』
で、表示されたアプリのなかから、調子の悪いアプリを選んで『キャッシュを削除』をおこなえます。
Google TV採用のテレビなら、ほとんとが同じような操作でキャッシュクリアを試せますよ。
レグザのようにGoogle TVを採用していないメーカーのテレビであれば、電源ボタンを長押しすることでキャッシュクリアが可能です。
頻繁にすることではありませんが、メーカーのサポートの方や営業担当によっては、「定期的にした方がいいですよ」という方もいるくらいです。
もし、アプリの快適さがなんか落ちたなーってときは、ぜひキャッシュクリアを試してみてください。
⑩操作がきかないなど何かあったときは電源ボタンの長押しで解決
購入後に知っておいた方がいいこと2つ目は、操作がきかないなど困ったときは電源長押しで解決、です。
店舗にかかってくるお客様の電話で意外に多いのが、
「YouTubeが見れなくなったんです。電源は入るけどリモコンがきかなくて・・・」
「今朝から地デジが見れなくなったんです。昨日まで問題なかったのに・・・」
みたいなものがあります。
電源ランプが赤く点滅して故障をお知らせしているわけでもなく、電源も入るのに操作ができない、みたいなお困りの電話ですね。
そういったときに試していただきたいことが2点。
1つめは、電源コンセントを抜いて数分待ってから電源を入れなおす
2つめは、リモコンもしくは本体の電源ボタンを長押しする
この方法を試すことで、パソコンのようにテレビを再起動させることができます。
ちなみに、スマホなどが調子悪い時も案外電源入れ直しによる再起動で、改善する場合がありますのでお試しになってみてください。
最近のテレビはパソコンのように複雑な構造ですから、一時的に動作が不安定になるのでこういった対処方法がメーカーの説明書に書いてあるんです。
このやり方を知っておけば、なにかあっても慌てずにすむと思います。
もちろん、動作の不具合が頻発するようであれば、故障の可能性があるのでその場合は修理・点検の依頼をしてくださいね。
まとめ
それでは本日の動画のまとめです。
今回は、テレビを買うなら知っておいてほしいことを10選、ご紹介してみました。
すでにご存じの内容が多かったという方もいらっしゃるかもしれませんが、せっかく買うテレビを十分に楽しむために必要な内容だと思います。
また、僕が店員として、お客様からいただくご質問や店頭でお話しして喜んでもらえた内容を厳選してみたので、少しでも参考になればうれしいです。
本日はここまでになります。
最後までご覧いただきありがとうございました。 次回もよろしくお願いします。